花いけだより

【大会レポート✴︎南九州大会2022:予選トーナメント編】

2022年9月17日(土)、熊本県・市⺠会館シアーズホーム夢ホールにて「全国高校生花いけバトル 南九州大会2022」が開催されました。はじめての開催となる南九州大会。5分間を駆け抜けた、3校5チームの挑戦の模様をお届けします。

会場となった熊本県は、花の生産の一大メッカ。今回も地元・熊本産の見事な花や枝物が会場を彩りました。なかでもしばしば登場したのが、熊本県が全国1位の生産数を誇るカスミソウです。個性豊かに、作品にやわらかな印象を添えていました。

予選は5分間の制限時間の中で先鋒と次鋒が交代し、チームで1つの作品を作り上げます。先鋒が土台をつくり、次鋒がそれをいかして色付けしていく。そんなチームプレイが見どころです。「2人だったから、自信を持っていけられた」「ずっと練習しているところを見てきたから、私も実力を出し切ってサポートしたい」という言葉に、チームの一体感が垣間見えました。

ときには、大きな枝物が安定せず、焦る気持ちが伝わってくるシーンもありました。それでも花器の形をよく見て見事に枝をとめ、次鋒にバトンタッチ。いかに冷静になって、機転をきかせられるか。瞬時の判断で、時に大胆に活路を見出していくドラマティックな花いけに胸が熱くなります。

試合後のインタビューでは「花の表情をよく見ながら丁寧にいけられた」「うまくいって嬉しかった」という前向きな言葉と、満足げな表情が印象的でした。勝負だからこそ真剣になれて、練習以上の力が出せることもあるでしょう。しかしそんな中でも、花をいけることの楽しみを忘れずに、笑顔を見せた高校生バトラーたち。ステージ上を右に左に躍動する姿からは、「自分らしい花いけをしたい!」という気持ちが伝わってくるようでした。

 

花いけにとって一番大切な気持ちを持って見事にいけきった高校生たちに、心からのエールを贈りたいと思います。接戦の末に、以下の4チームが決勝ラウンドに進出しました。

 

1位 尚絅中学⾼等学校「桜梅桃李」(217pt)

2位 熊本県⽴熊本⼯業⾼等学校「桐琉爛漫」(209pt)

3位 尚絅中学⾼等学校「チョモランマ」(208pt)

4位 熊本県⽴熊本⼯業⾼等学校「優美淡」(205pt)