花いけだより

【大会レポート✴︎近畿大会2022:予選トーナメント編】

2022年10月2日(日)、晴天に恵まれた大阪府大阪市・三井アウトレットパーク大阪鶴見にて「全国高校生花いけバトル 近畿大会2022」が開催され、10校・24チームが出場しました。

6回目の開催となった近畿大会。前回に続く2回目の出場者のほか、初出場のバトラーも多く、男子チーム、男女混合チームも目立つバラエティに富んだ出場者が集まって、個性あふれる花いけを見せてくれました。

予選では、5分の制限時間内で先鋒と次鋒が交代し、チームで1つの作品を完成させます。先鋒が作り上げた作品をどのように生かして完成に持っていくのか、ふたりのチームワークはもちろん、先鋒が作り上げた作品に次鋒が自分らしさを加えて形にしていくためには、日頃の練習とコミュニケーションの成果、お互いの信頼関係が試されます。

今回の会場では、舞台横の階段に色とりどりの花が並びました。ゴングと同時に花を取りに走る高校生バトラーたち。いち早く好きな花を選ぼうと階段を駆け上っていく様子はまるでスポーツのよう。花をいける技術やセンスだけでなく、最後まで走り抜ける体力や気力も大事な要素です。

予選でもさまざまなドラマがありました。先鋒が大きな竹を切るのに苦労し、名残惜しくバトンタッチするも、次鋒が見事に巻き返したチーム。残り数秒で、仕上げに1本足すかどうかの難しい決断をしたチーム。最後の最後でバランスを崩して悔し涙を見せたり、花が水に届いていない「保水の減点」で涙を飲んだりと、終了まで予想ができない戦いに、見ている側も手に汗を握ります。

 

全体的に、ダイナミックで大きな作品が多かった予選。なかでも、紅葉したドウダンツツジ、香川県産の見事なキクを大胆にあしらった作品が印象的でした。予選終了後の総評では、「自然の向きを大切にすること、完成イメージを具現化することを意識するように」というアドバイスがありました。

爽やかな汗と涙、そして青春の結晶のような花いけを見せてくれた高校生バトラーたち。イメージ通りの花いけができたチームも、緊張で実力を発揮できずに涙を流したチームも、バトル終了後は「楽しかった」と、最高の笑顔を見せてくれました。

 

8ラウンドの激戦の末、毎年決勝で接戦を繰り広げる強豪校・相愛高等学校と大阪府立園芸高等学校から3チーム、そして、数年ぶりに花いけバトルに帰ってきた京都府立桂高等学校から1チームの合計4チームが決勝ラウンドに進出しました。

 

1位 相愛高等学校「相愛 楓葉(メイプルリーフ)」(239pt)

2位 大阪府立園芸高等学校「園芸 華子」(238pt)

3位 京都府立桂高等学校「フラワー」(236pt)

4位 相愛高等学校「相愛 乙女紅葉」(216pt)