花いけだより

【大会レポート✴︎全国⾼校⽣花いけバトル四国⼤会2022:予選ラウンド編】

2022年10月16日(日)、高知県立高知追手前高等学校 芸術ホールにて「全国高校生花いけバトル 四国大会2022」が開催されました。全国13ヶ所を巡る地区大会も今回で8ヶ所目。四国大会では5校13チームの高校生バトラーが元気いっぱいに力を発揮してくれました。

今年の地区大会では、開催地区の花をモチーフにしたかわいいキャラクターが登場しています。今回の四国大会キャラクターは、世界に誇る高知県産の花・グロリオサをモチーフにしたグロリオくん。会場には、赤や黄色に加えて他の地域ではなかなか見られないクリーム色のグロリオサをはじめ、高知県産のユリやバラ、ブルースター、かすみ草などがずらりと並び、目を楽しませてくれました。

 

予選では、アセビを使ったダイナミックな作品が目を惹きます。この日一番大きな枝物ということもあり、高校生の身体では運ぶのも苦労するような重量感。花器に立てるにも一筋縄ではいかず、練習の成果が試されます。枝ぶりを見ながら丁寧な所作でいけるチーム、枝の位置を確認して中央にスッと立てるチームなど、それぞれの向き合い方に個性がうかがえました。

なかには時間が足りずに枝を立てられず、花器に何も入っていない状態でバトンタッチしたチームも。どんな状態でも先鋒からのバトンをしっかり受け継ぎ、気持ちを切り替えてリカバリーする姿、そして、最後の1秒までまであきらめずに自分たちの作品を作りきろうとする姿勢に、この舞台への意気込みが感じられました。「高校生花いけバトル」はチーム対抗戦です。しかし本当の対戦相手はライバルチームではなく、これまで一生懸命に練習してきたチームと、何より自分自身なのだと、改めて思い起こさせてくれるシーンでした。

今回の大会では中国からの留学生もたくさん参加してくれました。国境を超えて同じステージで戦い、花いけの楽しさを分かち合った5分間。経験や花をいける技術は人それぞれですが、それ以上に、仲間を信頼して挑戦すること、自分らしく思いっきり表現しようという姿勢、そしてなにより、花を楽しむ心に国境はないのだと教えてもらった気がします。

 

「緊張したけど楽しかった」という声がたくさん聞かれた四国大会。残念ながら急遽1人での参加となったチームもありましたが、ステージの上ではじめての花材に挑戦するなど、他のチームに負けない気迫でダイナミックな作品を見せてくれました。「次鋒の分も頑張らないと」という強い気持ちと、言葉通りに120%の力でやりきった姿は、きっとチームメイトにも届いていると思います。最後まで挑戦を忘れない姿に、会場からは大きな拍手が起こりました。

 

決勝ラウンド進出は以下の4チームとなりました。

1位 松山東雲高等学校「Strawberry」(232pt)

2位 高知学芸高等学校「はるまき」(231pt)

3位 高知学芸高等学校「ホワイトチョコレート」(229pt)

4位 高知県立岡豊高等学校「ミモザ」(223pt)