【大会レポート✴︎全国⾼校⽣花いけバトル茨城⼤会2022:予選ラウンド編】
2022.12.05
2022年11月26日(土)、イオンモール⽔⼾内原にて「全国高校生花いけバトル 茨城大会2022」が開催されました。来年1月に行われる全国大会に向けて北は北海道、南は沖縄まで、13の地区大会を巡ってきた今シーズン。茨城大会が最後の予選です。全国大会への最後の切符を求めて11校23チームの高校生バトラーが集い、個性豊かな花いけを見せてくれました。
開催地・茨城県は、花の一大産地です。中でも枝ものは生産量全国1位を誇り、どれをとっても見事な枝ぶりと美しい表情を持っています。この日のために生産者の方々が丁寧に育て、きれいに葉や枝を整えて届けてくださいました。他の地方では10種類ほどの枝ものも、今大会ではおよそ40種類。その豊富なバリエーションと美しさが、高校生バトラーの想像力を刺激します。
どっしりとした重量感で高校生バトラーたちの思いを受けとめるステージ上の器は、地元・茨城県の工房で生まれた笠間焼のもの。高校生バトラーは地域のサポートに応え、予選ラウンドから、息つく暇もないほどスリリングで迫力のある花いけを見せてくれました。
全国大会常連校が出場する、ハイレベルな茨城大会。たった5分間の即興勝負のため、手を入れずに使ってしまいがちな竹にも丁寧に切り込みを入れてハンマーで割って安定させるといった、ひと手間を惜しまない姿が印象的でした。高校生バトラーたちは、日々の練習で培った確かな技術がありながら、小さくまとまらず、果敢にチャレンジを続けます。
すべりやすい器だと知りながら、あえて大きな枝ものを立てるのに挑戦したチーム。大きな竹の先端にさらに流木を挿し、高さ3mはあろうかというスケール感のある作品に挑戦したチーム。大きな枝ものがグラグラとゆれるスリリングな展開に、周囲の買い物客も思わず足を止め、吹き抜けの2階、3階から顔をのぞかせる観客が固唾をのんで見守ります。結果、うまくいったチームも、いかなかったチームもありましたが「自分たちの花いけがしたい!」という気持ちがまっすぐに伝わってくる花いけに観客はひきこまれ、ラウンドを重ねるごとに会場のボルテージは上がっていきました。
試合後「事前に考えてきたものとできた作品は全然違った。でも、よかったと思う」と満足そうに語る声がありました。素材が持っている自然の表情を生かそうとすると、いけながら自ずと新しい発想が生まれ、完成した作品がもとのイメージとは違った形になることがあります。自分の直感を信じて構成を変化させ、完成した作品を誇る高校生バトラー。花と向き合い、花を楽しむ即興花いけのおもしろさを、改めて感じさせてくれる一言でした。
白熱の予選ラウンドを経て、以下4チームの決勝ラウンド進出が決まりました。
1位 茨城県立土浦第一高等学校「水月鏡花」(261pt)
2位 ⿅島学園⾼等学校「自然」(251pt)
3位 茨城県⽴⼩瀬⾼等学校「勿忘草」(246pt)
4位 茨城県⽴⾼萩⾼等学校「吹部」(241pt)