花いけだより

【大会レポート✴︎第七回⾼校⽣花いけバトル〜花きの⽇⼤会〜(全国⾼校⽣花いけバトル岐⾩⼤会2022):決勝トーナメント編】

予選に続いて行われた「岐阜大会」決勝ラウンド。集まる観客の数も増え、会場のボルテージはさらに高まります。

準決勝では、予選とは異なる個性的な器が用意されました。さし口が小さかったり、細長く安定しにくかったりと、いずれも高校生バトラーにとっては難しい課題です。はじめての器に対して作品の表情をコントロールしていったチーム、残り10秒をきったところで枝がグルリと回ってしまったチーム……。準決勝も最後の1秒まで目が離せない、白熱した展開を見せてくれました。

決勝ラウンドは個人で一つの作品を作りあげますが、同じ花材を使ったり色合いを合わせたりといったチームの連携が、作品の味わいを豊かにします。中には、花言葉に意味を持たせ、自分たちを表現するチームも。一つひとつの花に思いを込めて、高校生バトラーたちは花いけの5分間を駆け抜けます。

誰よりも早くいけはじめ、勢いのある花いけを見せてくれた「マリーゴールド」の仲村さん。「いけてみてどうだった?」の質問に「はじめての花材を使ってみたが、ダイナミックに見せることができた」と答える晴れやかな表情が素敵でした。はじめての器に、はじめての花材。それでも臆せずにチャレンジし花いけを楽しむという姿勢に、高校生花いけバトルが大切にする気持ちが詰まっています。

決勝戦に残ったのは、色合い豊かに独創的な花いけを見せてくれた、予選1位「山茶花」と、枝の表情をよくみながら丁寧にいけ、空間を生かした作品を作りあげた男子チーム、予選3位「びーとるず」。決勝でもそれぞれが持っている力を振り絞って、情熱的に、ドラマチックに、堂々とした花いけを見せてくれました。

今年度の優勝チームは岐⾩県⽴岐⾩農林⾼等学校「びーとるず」。点数が発表された瞬間、喜びをはじけさせ、抱き合ったふたり。「団体戦だということを忘れずに戦った」という言葉通り、大会を通して2人がお互いの作品の魅力を引き立てあう花いけを見せてくれました。

準優勝は岐⾩県⽴⼤垣養⽼⾼等学校「山茶花」。全国大会の優勝経験のある強豪校で、先輩の花いけを見てきたふたり。「今度は自分たちが、この2人で花いけをしたい」と出場を決め、決勝まで進んできました。ここまで来られたことを、ぜひ誇りに思って、これからも花いけを楽しんでください。

舞台には台と器。用意された花材はどの出場者も同じです。それでも、出来上がる作品は驚くほどに個性的で、どれひとつとして同じ作品はあリません。「花をいけたい!」「この花をきれいに見せたい!」そんな気持ちがステージに溢れ、一つひとつの作品を紡いでいきました。

 

今日ここに出場してくれた皆さんには、このステージで体験したことを勇気と自信にして、花をいけることをこれからも続けてもらえたら嬉しいです。