花いけだより

【大会レポート✴︎第七回⾼校⽣花いけバトル〜花きの⽇⼤会〜(全国⾼校⽣花いけバトル岐⾩⼤会2022):予選ラウンド編】

2022年10月8日(土)、 ぎふワールド・ローズガーデン プリンセスホール雅にて、「第七回⾼校⽣花いけバトル〜花きの⽇⼤会〜 全国⾼校⽣花いけバトル岐⾩⼤会2022」が開催されました。

今年で7回目の開催となる岐阜大会。リベンジに燃える強豪チームから初出場のフレッシュなチームまで、9校22チームの高校生花いけバトラーが集い、約4時間にわたって熱い戦いを繰り広げました。

前日までの寒さが嘘のような気持ちよい秋晴れの日。半野外の会場に吹き抜ける風が、挑戦を前にする高校生たちの頬をなでます。ステージには紅葉したドウダンツツジや、たわわに実ったツルウメモドキ、ススキなど、秋色に彩られた70種類もの花材が並び、会場を華やかに彩りました。

投票によって観客点が入る今大会では、観客席とステージが一体となって、試合前から静かな緊張感と期待感に満ちていました。

迎えた予選ラウンド。第1ラウンドから、花いけの激戦地・岐阜大会ならではのハイレベルな戦いが続きます。5分間で先方と次鋒が交代し一つの作品を作り上げるこのラウンドでは、2人のチームワークが試されます。日々の練習やコミュニケーションを通して見つけた自分たちの目指す花いけを、自由に、個性豊かにいけきりました。

今回の大会で印象的だったのは、緻密な作戦でした。どんな花を使い、どんな花いけをするか?試合前に、作品のイメージを膨らませ、やるべきことを明確にし、二人の役割を決めていく。本番前の想像力が、ステージでの動きに直結します。どのチームも、試合開始のゴングがなるやいなや、勢いよくステージを駆け抜けました。

しかし、どんなに作戦をたてても想定通りにいかないのが高校生花いけバトルです。試合直後に大きな竹を2本持ってきたものの、器の安定性を考え、即座に竹を置き別の枝でいけ始めたチームもありました。各チームは試合中も大きな声でコミュニケーションを取り合い、瞬時の判断で対応策を考えます。試合前はじっくりと作戦を練り、試合中はひらめきと直感に思いを託す。そんな、気持ちがいい花いけを見せてくれました。

試合後のインタビューでは「本当は自分が担当するところを次鋒に回してしまった」「予定より交代のタイミングが遅くなり焦った」と、作戦通りにいかなかったことを悔やむ声も聞かれました。それでも「花材を妥協せずに選んでくれた」「先鋒が土台をしっかり作ってくれた」と、ペアの花いけを力にし、さらに輝く花いけにしようという、お互いを信頼し合う高校生たちの姿がありました。

 

8ラウンドにおよぶ密度の濃い激戦を終え、下記4チームが決勝トーナメントに進出しました。

 

1位 岐⾩県⽴⼤垣養⽼⾼等学校 「山茶花」(230pt)

2位 静岡県⽴⽥⽅農業⾼等学校 「愛月」(214pt)

3位 岐⾩県⽴岐⾩農林⾼等学校 「びーとるず」(209pt)

4位 岐⾩県⽴加茂農林⾼等学校 「マリーゴールド」(206pt)