花いけだより

【大会レポート✴︎香川大会2022:予選トーナメント編】

2022年8月20日(土)、観音寺市民会館 ハイスタッフホールにて「全国高校生花いけバトル 香川大会2022」が開催されました。今回で6回目となる香川大会。今年は感染対策を徹底しながらわずかに観客席も開放し、2年ぶりに会場の興奮を生で感じていただくことができました!

自分らしい花いけを目指して奮闘した、11校23チームの勇姿をお届けします。

会場となった香川県は、マーガレット、菊、ラナンキュラス、カーネーションなど特色ある花の生産地として知られています。もちろん、今回の香川大会の会場にも70種類もの見事な花や枝物が並びました。ステージに立つ高校生たちも、生産者から花のバトンを受け継ぐように、丁寧な所作で花材を扱っていたのが印象的。「花のいちばんいい表情を引き出したい」「あの花を生けたい」と思う気持ちが存分に感じられました。

来年にはこの地で全国大会も行われるということで、高校生たちの気合いは充分!予選ラウンドから、気迫を感じる戦いとなりました。

今回とくに登場回数が多かったのが、香川県産のメラレウカ。黄金色に輝くメラレウカは4〜5本合わせるとボリュームも出て、パッと目を惹きます。同じ花材を使っても、できあがる作品は人それぞれ。枝の選び方や花の合わせ方に個性が際立っていました。

ほかにも、「この日に合わせて咲くように」と生産者の方が丹精込めて育ててくれた地元・観音寺の菊も何度も登場し、作品に迫力を添えていました。

流木が滑ってしまったり、枝がうまく立たなかったりとヒヤリとする場面もありました。それでも、目の前の花を見て、冷静にいけきる姿、そして、失敗しても、思い通りにいかなくても、最後の最後まであきらめずに「自分の花いけをするんだ!」という強い気持ちが観客席にも伝わってきて、見ている側も心揺さぶられました。

審査員のひとり、フラワーデザイナー・滝謙一さんが「どのチームも枝の表情を意識していた」と語るほど、丁寧な所作が印象的だった予選ラウンド。決勝ラウンドへの切符を手にしたのは、所作の美しさに加えて、大胆に自分たちらしさを発揮した4チームだったと思います。いずれの学校も優勝経験を持つ強豪校。日頃の練習の成果が感じられる、ハイレベルな戦いとなりました。

終わった後に感想を伺うと、「もっとこうしたらよかった」という振り返りの言葉が多く聞かれた香川大会。もっと上手に、もっと思い通りに、もっと花の表情を生かして・・・そんな思いが、次のチャレンジへの原動力になるはずです。

さまざまな思いを抱えながら、それでも前を向いて「次もがんばりたい」と言ってくれた高校生たちに大きな勇気をもらいました。今回出場された全チームにエールを送りたいと思います。

 

決勝ラウンド進出は以下の4チームとなりました。

1位 英明高等学校「月虹」(254pt)

2位 村上学園高等学校「鈴蘭」(244pt)

3位 香川県立飯山高等学校「飯山 花笑み」(229pt)

4位 香川県立飯山高等学校「飯山 鈴蘭」(228pt)