【大会レポート✴︎関東大会2022:決勝トーナメント編】
2022.6.25
準決勝は、チーム2名がそれぞれ好きな器を選んで個人で作品を仕上げ、チームごとの合算点で競います。準決勝では、審査員のひとり、いけばな作家・伊藤庭花先生からのアドバイスにもあった通り、枝の表情をよく見て丁寧にいける姿が印象に残りました。
ときに力強く、ときにやさしく、緩急をつけながら個性あふれる花いけを見せてくれた4チーム8名。どのチームも自分らしく楽しんでいけていることが伝わってきました。
続いて行われた決勝戦も、個人作品の合算点で競います。今回は、お花を始めて間もないという東京都立小石川中等教育学校「ひともし」と、花いけバトルの常連校・正則学園高等学校「剣弁高芯」の対決に。50本のハルシャギクとヒマワリを生かした黄色のコンビネーションや、スモークツリーをミックスして美しい表情を作り上げた「ひともし」。ロシアンオリーブとカシワバアジサイの丁寧でダイナミックな花いけに、ドウダンツツジやナナカマドを使い、竹を立たせて会場を沸かせた「剣弁高芯」。どちらのチームもすべての力を出し切って真剣勝負で駆け抜けた結果、最後は「ひともし」チームの優勝で幕を閉じました。
惜しくも涙を呑んだ「剣弁高芯」の2人は、「たくさん練習して、また来年来ます」と力強く話してくれました。
「全国高校生花いけバトル 関東大会2022」にリハーサルはありません。初めて大きな舞台に立ち、普段は触ることのない大きな器と花材を扱うために、力を発揮しきれなかった人もいるかもしれません。しかし、多くの観客の前で花をいける経験と、嬉しさや悔しさ、味わったすべての感情は、次の1歩を踏み出すための大きなエネルギーになるはずです。これからも「いけたい」と思う気持ちを大切に、花と向き合い、花の魅力を知り、その美しさや強さをより深く知ってくれたらと願っています。
「全国高校生花いけバトル」予選大会は、関東大会を皮切りに、全国各地で12大会が行われます。それぞれの地域で、多くの生産者の方々がこの日のために自慢の花を用意してくださっています。これから各地で美しい花々と、高校生たちの情熱に満ちた花いけを見られることを、スタッフ一同楽しみにしています。