花いけだより

【大会レポート✴︎関東大会2022:予選ラウンド編】

2022年6月19日、「全国高校生花いけバトル 関東大会2022」が開催されました。

今年度初の地区大会となる関東大会。東京・池袋のサンシャインシティ噴水広場には15校24チーム、合計48名の高校生花いけバトラーが集い、約4時間にわたって熱い戦いを繰り広げました。

予選は制限時間5分間の中で先鋒と次鋒が交代し、チーム2名で1つの作品を作り上げます。「好きなお花を使いたい」「季節を感じられる紫陽花で、見ている人に涼しさを感じてほしい」など、それぞれの想いを昇華させた個性あふれる作品が次々に完成し、B1階から3階まで、ステージを囲む多くの観客を魅了しました。

使いたかった花材が他チームに取られてしまったり、勢い余って枝や器が倒れそうになったり…。そんな想定外の出来事も「花いけバトル」の見どころのひとつ。思うようにいかない葛藤を抱えながら、どれだけ冷静に、臨機応変に対応できるのか。制限時間が迫る中でのギリギリの判断に、これまでの練習の成果やとっさの判断力が試されます。

今回の予選ラウンドでは、残り数十秒で大きな竹が倒れてしまうこともありました。しかし、最後まであきらめず、なんとか自分たちの作品をかたち作ろうと必死に取り組む姿に、観客もライバルたちも胸を打たれ、多くの通行客が足を止め、会場には大きな拍手が巻き起こりました。

第1ラウンドを通過したのは、息の合った花いけで表情豊かな作品を見せてくれた「ブルーデイジー」、勢いある花いけで会場を沸かせた「剣弁高芯」、綿密に計算し、作品としての完成度を高めた「1S&S3」、冷静にダイナミックに、チームワークで魅せた「ひともし」の4チームとなりました。

 

1位 東京都立神代高等学校「ブルーデイジー」(253pt)

2位 正則学園高等学校「剣弁高芯(こうしん)」(252pt)

3位 正則学園高等学校「1S&S3(さーてぃーんろーず)」(247pt)

4位 東京都立小石川中等教育学校「ひともし」(240pt)

走りながら考え、自分の力で壁を乗り越え、「絶対にうまくいく」と信じてやり切ること。仲間を信じて応援すること。それはきっと、これからの人生において大きな力となるはずです。挫折しそうになった時、サンシャインシティの大きな舞台で必死に走り、向き合い、好きな花をいけて大きな声援をもらったこの日の経験を思い出してくれたらと願っています。