【大会レポート✴︎全国⾼校⽣花いけバトル福岡⼤会2022：決勝トーナメント編】

予選に続き、上位4チームによる決勝ラウンドが行われました。

「植物の色や形をしっかり見て構成されていた」との審査員の言葉通り、どのチームも真剣に花に向き合ってきた福岡大会。惜しくも予選敗退したチームもポイントは僅差で、どこが決勝に進んでもおかしくない接戦でした。

準決勝は、個人作品のチーム合計得点で競います。第1ラウンドは落ち着いて力強い花いけを見せてくれた「絢爛」と、ドラマチックな展開で会場を魅了した「飛翔」。同じ福岡県立修猷館高等学校同士となりました。予選とは違い、器の形が独特で難易度も上がりましたが、それを生かした個性ある花いけを見せてくれました。

個人作品ながら、2人で花材を合わせることで、連動した１つの作品のような立体感が生まれるのも準決勝の見どころのひとつ。前半の２チームは、ユキヤナギとユーカリを使って、チームらしさを表現していました。同校同士の花いけバトルを制したのは、予選ラウンド1位通過の「絢爛」。どの作品もメリハリがあり、枝の流れを生かした花いけとなりました。

準決勝第2ラウンドは、福岡雙葉高等学校「レイン」と佐賀県立唐津南高等学校「ミカン」の戦いに。器を選べない準決勝では、器を見て瞬時に構成する力も求められます。

「好きなデンファレと胡蝶蘭を使って自分らしい花いけができた」と振り返る「レイン」と、洗練された構成で観客を魅了した「ミカン」。途中バランスを崩すこともありましたが、両チームとも自分らしくのびのびと楽しみ、最後まであきらめずにやりきった顔は自信に満ちていました。

決勝戦の先鋒戦では、序盤に見事なバランスを見せた「ミカン」が、中盤に枝のバランスを崩し転倒させてしまいます。集中しなければいけない場面で、思うようにいけられない。それでも何度も立てようとする。そんな焦りと悔しさ、努力が観客席まで伝わってきて、多くの高校生バトラーが祈るような思いでステージを見つめていました。

先鋒戦は「絢爛」の大幅なリードとなりましたが、勝負は最後までわかりません。次鋒戦では、繊細さと大胆さ、異なる個性がぶつかり合い、最後まで両チームとも全力を出し切りました。

正々堂々と気持ち良くいける姿に勇気をもらった「全国高校生花いけバトル 福岡大会」。最後は福岡県立修猷館高等学校「絢爛」の優勝で幕を閉じました。

優勝した福岡県立修猷館高等学校「絢爛」のふたり。しっかりと日頃の練習の成果を出し切り、緊張を勇気に変えて、見事な花いけを見せてくれました。

準優勝は、何度も倒れながら最後まであきらめなかった佐賀県立唐津南高等学校「ミカン」のふたり。チームメイトが一度失敗した花器を、もう一人が使ってリベンジしようと挑戦する姿。何度倒れてもあきらめない姿勢、2人の熱い友情に、会場から大きな拍手が送られました。

個性豊かな地元の花を、地元の高校生がいける素晴らしさ。審査員の伊藤庭花さんからは、「みんな、花をしっかり見ていけているなと感じました。今日見たことを来年に生かしてください」との言葉が送られました。地元の花と同じように、大きく美しく咲いた福岡大会の高校生バトラーたち。これからも、自分らしい花いけを続けてください！