花いけだより

【大会レポート✴︎全国⾼校⽣花いけバトル沖縄⼤会2022:予選ラウンド編】

2022年11月5日(土)、沖縄県浦添市にあるアイム・ユニバース てだこホール(小ホール)にて「全国高校生花いけバトル 沖縄大会2022」が開催されました。

沖縄では6回目の開催となる今大会。5校12チーム、合計24名の高校生花いけバトラーが集い、この南の地で熱い闘いを繰り広げました。

沖縄大会といえば、沖縄ならではの県産花材が魅力のひとつ。とりわけ見事なのが青々とした葉を広げるドラセナにアレカヤシ、バナナリーフなどの葉ものたち。今年はたっぷりと大きな実をつけたアダンも登場しました。どれをとっても、絵になる生き生きとした美しさと、目をひく圧倒的な存在感があります。

高校生バトラーたちは、華やかに会場を彩る花材を前にチームで話し合い、時にはデッサンにおこしながら、試合開始直前まで自分らしい花いけをするためにイメージを膨らませます。

そして迎えた予選ラウンド。第1ラウンドから沖縄大会らしい、エネルギッシュな展開が続きました。

ドラゴンヤナギの枝をももで力強くたわませて流れを作り、ダイナミックな作品に仕上げたチーム。両手に抱えた20本30本の花束を、花器いっぱいにいけたチーム。大胆で思い切りのいい花いけが、作品のスケール感につながります。

日々の練習では使わないような大きな花器と、たくさんの花材を前にする高校生バトラーたちですが、慣れないなかでも、伸び伸びと積極的にいける姿勢が作品に迫力を添えていました。

脇目も振らずステージ上を縦横無尽に駆け巡る高校生バトラーの姿からは、「自分たちらしい花いけがしたい」「この花をきれいに見せたい」という素直な思いが伝わってくるようでした。

高校生花いけバトルの魅力は、できあがった作品だけではなく、作品を作りあげる5分間の展開にあります。予選ラウンドでも、落ち着いた淡色でまとまっていた作品に、残りわずか30秒で黄金色に輝くメラレウカが入り、作品が見違えるようにパッと華やかになるシーンがありました。

開始のゴングが鳴る時、台の上には器ひとつ。そこから枝ものが空間の広がりを生み出し、華やかな花材の組み合わせが作品に彩りを加えていく。高校生バトラーが、日々の練習でつちかった技術と想像力、とっさのひらめきを信じて導き出したドラマチックなストーリーに、観客は目を奪われました。

伸びやかで積極的な花いけが見られた沖縄大会。試合後には「悔しかった」という声が多く聞かれましたが、それもステージで挑戦をしたからこそ。照明に照らされた作品は、どれも堂々とした風格をたたえていました。「次はもっと」という気持ちの先に、一人ひとりの新しい花いけが開けてくるはずです。

残念ながら決勝ラウンドに進めなかったチームも、またパワーアップした花いけが見られることを楽しみにしています。

 

白熱の予選ラウンドの末、決勝ラウンド進出は以下の4チームとなりました。

 

決勝ラウンド進出は以下の4チームとなりました。

1位 沖縄県立首里高等学校「ネコヤナギ」(251pt)

2位 沖縄県立南部農林高等学校「ハイフェアリー」(238pt)

3位 沖縄県立読谷高等学校「Keep Smiling」(228pt)

4位 沖縄県立中部農林高等学校「サンフラワー」(224pt)