花いけだより

決勝大会 審査員講評(1)

いよいよ待ちに待った決勝大会がやってきました。まずは開会式に集まった皆さんの顔が元気そうで一安心。みんな自信に満ちた顔つきで明日からの決勝大会が楽しみに感じました。

そして決勝大会、1回戦第1試合が始まった瞬間、私たち審査員はあまりの作品の出来栄えに震えました。地方大会で優勝したあと、どれだけ練習を重ねてきたのかが動きを見るだけで伺える動きと作品だったからです。それはその後のどのチームも同じく、素晴らしい作品の連続に審査をする側も一瞬の動きも見逃すまいと、高校生バトラーと同じく真剣に精一杯集中して審査をさせていただきました。

 

今大会は全大会を通して丁寧な所作、いわゆる花を丁寧に扱い、花を綺麗にいけようとする姿が印象に残る大会だったと思います。これはとても大切なことですし、花をいけた時の表情に表れます。その花の表情をちゃんと捉え、そして丁寧に花を扱いいけた作品は、必ずいい表情をしてくれると思っています。そんな所作を見せてくれた高校生の皆さんには、本当に心から敬意を表しますし、今後も花いけの素晴らしさを伝えていって欲しいと思いました。

 

 

最後に、今回参加していただいた高校生の皆さん、そしてこの花いけバトルへ出場してみようかなと考えている皆さんへ。この花いけバトルは、普段いけている花とは少し違い、器もすこし大きく、そして何より人前で花をいけるという違いがあります。しかし、やるべきことは普段と同じです。花を愛し、花を大切にし、いかにその花を美しく見せてあげるかということを考えながらいける。そうすれば自ずと花が応えてくれるはずです。もし、出場しようかどうか悩まれているのであれば、ぜひ出場されることをお勧めします。今までの出場チームからは、「出場してよかった!」「今までの自分とは違う自分が出せてよかった」「花をいけることが楽しくなった」などの感想をいただいています。そんな言葉を信じ、あなたも新しい扉を開いてみませんか?

決勝大会 審査員 細川 康秀 (全国高校生花いけバトル実行委員会 / 華月流家元嗣)