花いけだより

全国大会2025✴︎大会レポート

2026年1月25日、冬の柔らかな光の中、香川県・レクザムホールにて「第九回全国高校生花いけバトル 全国大会」の幕が上がりました。全国から12箇所で行われた地区大会を勝ち抜いた精鋭たちが集結し、5分間という限られた時間の中で、自らの心を信じて花と向き合う熱い一日が始まりました。

午前中の予選ラウンドは、まさに「動」の花いけでした。先鋒、次鋒が一人ずついける第1・第2ラウンドを経て、二人がリレー方式でバトンを繋ぐ第3ラウンドの計3戦で合計点数を競います。緊張感のなか、金沢市立工業高等学校「The First」や地元・香川大会代表の英明高等学校「英明刹花」らが全力疾走で花材を取りに行く姿に、会場のボルテージは一気に高まりました。

用意された花材は、香川県産のラナンキュラス、マーガレット、カーネーションミニティアラ、そして生産者が一ヶ月かけて満開に仕上げた「フルブルーム」の菊などをはじめとした全国の生産者様から届けていただいた124品目。高校生たちは、舞台を縦横無尽に駆け回り、慣れない大きな器やトリッキーな形状の流木に四苦八苦しながらも、即興で作品を組み上げていきます。

午後からは、予選上位6チームによる決勝トーナメントが始まりました。準々決勝からは、二つの器を二人で同時にいけ、一つの世界観を創り上げる「合作」へとステージが進みます。予選1位通過の正則学園「忠央口」や、北海道大会から躍進した市立札幌旭丘「緑」などが、言葉を超えた「気持ち」で作品を調和させていく姿は圧巻でした。

3位決定戦では、岐阜大会代表・岐阜県立岐阜商業高等学校「百はな」が、広島大会代表・広島工業大学高等学校「カンパニュラ」との激闘を制し、見事3位に輝きました。金の器に紅いボケの枝をあしらい、静かな情熱を込めて一枝ずつ丁寧に命を吹き込んでいく姿は、観客の心に深い感動を残しました。惜しくも4位となった広島代表の八田紗夢さんは、3年生として最後の舞台を終え、涙ながらにペアの小倉さんや支えてくれた方々へ感謝を伝える姿があり、会場は温かい拍手に包まれました。

決勝戦は、関東大会代表・正則学園高等学校「忠央口」の堀口忠義さん、金子怜央さんペアと、北海道大会代表・市立札幌旭丘高等学校「緑」の柳澤真結さん、三浦憂杏さんペアの対決となりました。流木をダイナミックに組み上げ、観客を味方につける圧倒的なパフォーマンスを見せた正則学園に対し、札幌旭丘は枝物の美しさを生かした繊細で伸びやかな花いけ。手に汗握る接戦の末、優勝の栄冠は正則学園に輝きました。

勝敗を超えて、会場にいたすべてのチームの目には「花をいけるよろこび」の涙と笑顔が溢れていました。生産者が大切に育てた命を、次世代を担う若者たちが真っ直ぐな心で受け止め、表現し、そして観客のみなさまの温かい声援とともに歓喜の花としてうまれていく。その絆がうまれること。そのことが、この大会が最も大切にしている「花舞台」の真髄なのかもしれません。ありがとうございました。そして、みなさんおめでとうございます。