関東大会 〜審査員講評〜
2018.6.24
今回の関東大会は出場枠いっぱいの 24 チームが参加ということで、審査にも力が入りまし た。どのチームも事前にしっかり戦略を練り、大勢の観客の前でも臆することなく果敢に挑んでいる姿が印象に残りました。 全体の傾向として、最初に枝を選び高さを出しその後、色鮮やかな数種の花材を取り合わせ てボリューム良くいけるという展開が多く見受けられました。
予選だけでも 8 戦、24 作品を続けて見ていくと、どれも作品として一定のクオリティーを満たしていたため、やや新鮮味に欠け、優劣を付けづらく感じました。 結果、決勝トーナメントへ進んだチームと敗退したチームとの点数は僅差で、いける順番や、 器の違いによって異なった結果となっていたかもしれません。 その中で、優勝したチーム「花音」は竹を細工して土台にしたり、極力いける花数を減らし て見せたりと、独自性を遺憾なく発揮し見る側を楽しませてくれました。
5 分間という限られた時間の中で、作品をいけ上げるだけでも大変なことなのですが、この 高校生花いけバトルはタッグ戦ですので、お互いの好みや、特性を話し合い、例えば花の取り合わせで季節感を表現するとか、色合いを同系色でそろえる、葉物を多用するなど何か一 つチームカラーを出してもらえたら、より表現の幅が広がると思います。
「花音」のお二人には全国大会に向けて更なるオリジナリティーのある花いけを期待して おります。優勝おめでとうございました。
塚越応駿
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関東大会へ参加された皆さまへ
大舞台での花いけバトル、お疲れ様でした。
今回、全体を通して感じたことを何点かあげさせていただきます。
予選から決勝までの作品で、出来栄えの大きな差はなかったように思います。
ただ、そんな中で評価につながったのは、花を丁寧に扱えていたか、花の表情を見ていけられていたか、枝ものついては葉の表情をちゃんと捉えられていたか…などの花をいける基本的なポイントでした。
また、2人の共同制作においては、チームワークも重要なポイントです。
惜しくも準優勝の東京都立富士森高等学校の「富士森高等学校華道部チームC」ですが、基本ポイントに加え花の色合わせやバランスも非常に良かったと思います。
優勝されました茨城県立小瀬高等学校のチーム「花音」は大胆な構成をシンプルに表現され、すっきりとまとまっていたところが良かったと思います。
その他、参加された皆さんのひとつひとつそれぞれの作品に、表現をしようとする力を感じました。今後も花と触れることを続けられることを願っています。
細川康秀