近畿大会 〜審査員講評〜
2018.7.30
気温36℃、快晴。アウトレットモールの中央に設けられた野外ステージにて行われた近畿大会には、22チーム44名の学生が参加されました。その内6名が男子バトラーという他の地区大会より多くの男子バトラーが参加しスピード感のある展開に、アウトレットモールを訪れていた多くのショッピング客も足を止め、客席は3階部分までうめつくされていました。今年の近畿大会についてオリエンテーションの時から感じていたのは、花を丁寧に扱うバトラーが多いということです。 熱心な顧問の先生が多く、バトラーである学生と共に花や枝物、流木などを手に取り話し合う姿も本番前には多くみられました。
当日バトラーの皆さんには伝えきれなかったので、審査員として感じた事、そして対策を書き記します。
・予選ラウンドは2人で共同の作品をいけるというものでしたが、事前にしっかり役割を決めて臨んだチームとそうではないチームの差が大きかったように思います。役割を決める事で無駄な動きを減らし、効率良く5分間を使って欲しいと思います。また、より大きな枝や流木のような重量のある物を固定することも可能になるかと思います。
・テンポよくいけ進めていくうちに、必要のない程に花を詰め込んでしまっているチームが幾つか見られました。日本には「引き算の美」という言葉があります。多くの花をいけたものが勝つわけではありません。目の前の器と花を一歩引いてみる事を忘れないでください。
・大きな流木や竹を使い大きなアクションに挑戦したチームの多くが、その後の肝心の花いけの部分は雑な所作になってしまっていました。観客がいるという事を忘れずに! 大胆かつ繊細なパフォーマンスを披露して下さい。
・流木や大きな葉で器がほとんど見えなくなってしまった作品が2つ程ありました。器と花は切り離せない関係性を持っていますから、隠す事なくどちらもバランスよく見せられるよう心がけてください。
・決勝ラウンドに勝ち上がったチームは、大きなアクションこそ無かったが、しっかりと花を見つめ、丁寧で美しい所作のチームが多く、好感が持てました。
以上、本番終了後のコメントでは伝えきれなかった感想です。
今後も高校生花いけバトルに出場する機会がある1.2年生には、今後の参考にして欲しいと思います。 3年生の出場者の皆さん、次は大人の花いけバトルに出るチャンスがいつかやってきます。 今後も花をいける人生を歩んで欲しいので、参考にして欲しいと思います。 たくさんの感動する場面を見せて頂きありがとうございました。
中でも一番感動したのは… 決勝戦、終わりのゴングが鳴った直後 「楽しかった…」と呟いたチーム七変化の山本くんのコメントと表情でした。 勝敗よりも先ずは楽しんで花をいける事が出来たという清々しい表情。 ハッとさせられる瞬間でした。 楽しく花をいけるという、なによりも大事な事を伝えてくれていました。 その楽しさは花に伝わり、さらに観客にも伝染します。
決勝大会でも楽しく美しい花をいけてくれる姿を楽しみにしています。
近畿大会 審査員 曽我部 翔(フラワーデザイナー / Rock’n’Rose)