花いけだより

花いけBOOTCAMP 2025夏✴︎4

「花いけBOOTCAMP 2025夏」

〜プロフェッショナル〜

 

講師:小嶋 寛郎(映像プロデューサー)

 

「プロ」とは何か?

プロとは、お金をいただいて仕事をするもの。お客さんがお金を払って仕事を頼むのであれば、専門分野において高い技能やスキルがあることは当然で、且つそれを安定して供給できること。そしてプライドや覚悟を持って仕事に臨んでいるかどうかが重要です。

 

でも、プロになる以前に、どうやって仕事を選べばよいのでしょう?

自分の職業適性を見つけるポイントは、「動詞」の中にあります。例えば「花が好き」といっても、仕事として花屋に向いているとは一概に言えません。花を「いける」のが好きなら華道家やフラワーデザイナー、花を「育てる」のが好きなら花農家、花を「撮る」のが好きならカメラマン、など、どんな動詞が自分に一番当てはまるかによって職能は変わってきます。

そして、プロとして働く上では、「好き」よりも「できる」ことが重要になります。「好きこそものの上手なれ」という言葉がある一方で、ただ好きなだけでは、他者のニーズに応えられません。「できる」ことで他者に評価され、それが自分の喜びとなり、道が拓くことも大いにあります。

 

「表現する」とは?

皆さんが「私の花」を表現するにあたり、大切なのは自分自身と向き合うことです。

例えば、人それぞれのもつ悩みやコンプレックス、これは実はその人の個性でもあります。そこにはその人のオリジナリティが潜んでおり、表現するための材料や原動力になります。たとえ他者が気にしなくても本人が深く感じていることが重要で、それが人を表現に向かわせます。

表現するということは自らの内面を曝け出すことで、曝け出すことによって作品はその人の分身となります。「花は人なり」という言葉がありますが、それはまさにこのことを表しているのだと思います。

 

我々が現実と格闘する上で武器となるのが「知」と「想像力」です。

知(Knowledge)とは、知識や知見、情報、経験、技術。体得したスキルや経験値も含む。

想像力(Imagination)とは、まだ見たことない・経験したことのないものをイメージする力。

知があればあるほど想像力は豊かになるし、想像力があればあるほど知は確かなものになります。知をもって現実を分析し、理想形・完成形をイメージする。そして、それを知恵や技術によって完成・実現させていく。知と想像力は、両輪となって、あなたを前進させてくれるでしょう。

 

「プロフェッショナル」というテーマから、仕事論、表現論を経て、生きていく上で大切なことをお話しさせていただきました。ただ、これは私自身がたどり着いた現時点での結論に過ぎません。大切なのは、一人ひとりが自分とは何かを問い、自ら考えて行動することです。皆さんの将来にとって、何かしらのきっかけになっていただければ幸いです。