花いけだより

【大会レポート✴︎全国⾼校⽣花いけバトル北海道⼤会2022:予選ラウンド編】

2022年11月13日(日)、札幌モエレ沼公園にて「全国高校生花いけバトル 北海道大会2022」が開催されました。晩秋の北海道は、紅葉真っ盛り。雨が滴る紅葉の並木道を背に、4校9チームが会場のガラスのピラミッドに集いました。残念ながら6チームが欠席となった本大会。会場に来られなかったライバルの分まで、18名の高校生花いけバトラーが精一杯駆け抜けました。

地区大会では、毎回その土地ならではの花材が登場します。今回の北海道では、紅葉するユキヤナギなど、秋の北海道らしい枝物、葉物が会場を彩りました。花は生産者の皆様が丁寧に育て、大会の日にいちばん美しく咲くように調整してくださったもの。その美しさと種類の多さに圧倒されます。

今回は広い会場だけに、花材を集めるのもひと苦労。構成力や表現力に加えて、花材を取りに奔走するだけの体力と気力も勝負の分かれ目となりそうです。勢いよく走り出す高校生たちのパワーと、最初の数十秒でパッと壇上に現れる華やかな花の姿に魅了されます。

予選で数多く登場したのは、紅葉するユキヤナギの枝。ボリュームがあり、インパクトも抜群です。同じユキヤナギという花材でも、北海道の雄大さを表現したり、紅葉を再現したりと、いける人によってその表情はさまざま。自分なりの明確なイメージを持って表現することで、相手の心に残る作品を生むことができるのだと、改めて感じさせてくれました。

「思い通りにできた」という声がたくさんあがった北海道大会。5分間を走り切った後のすがすがしい笑顔からは「思い切ってのびのびと、楽しくいける」という「全国高校生花いけバトル」の原点を改めて見せてもらったように思います。

 

頭よりも先に手が動いてしまうような、勢いと躍動感のある花いけがたくさん観られた予選ラウンド。あいにくの天気でしたが、楽しんでいることが全身から伝わってくるような、気持ちのいい前半戦となりました。

審査員のドクトル薄木さんからは特に、他のチームと趣向の違う作品にチャレンジした北海道札幌⽩陵⾼等学校「レモンスカッシュ」にエールが送られました。勝敗を左右する点数も大切ですが、それ以上に、自分たちらしくトライする気持ちが新しい扉を開いてくれるのだと、2人の高校生から教わりました。

 

イメージを形にすること、誰もやったことがないことに挑戦することは、楽しくもあり、難しくもあります。そのことに真剣に向き合った5分間は、表現する上でいちばん大切なことを学んだ時間でもあったと思います。

 

予選ラウンドを経て、以下4チームの決勝ラウンド進出が決まりました。

 

1位 市⽴札幌旭丘⾼等学校「みどり」(229pt)

2位 藤⼥⼦⾼等学校「藤葛」(227pt)

3位 北海道札幌⽩陵⾼等学校「レモンスカッシュ」(226pt)

4位 北海道札幌国際情報⾼等学校「SIT①」(213pt)