花いけだより

【大会レポート✴︎上信越大会2022:予選トーナメント編】

2022年8月27日(土)、新潟県民会館にて「全国高校生花いけバトル 上信越大会2022」が開催されました。初開催となる上信越大会。6校13チームのフレッシュなメンバーが「全国高校生花いけバトル」に挑戦してくれました。

新潟は花の大産地。会場には新潟県産の立派な花や枝ものが揃い、ステージを彩りました。そして迎えた予選ラウンド。第1ラウンドからスケールの大きな作品が続きます。事前に考えてきた花の組み合わせや構成をイメージしながら、個性豊かに仕上げていく13チーム。何にも縛られない、自由でゆったりとした花いけの姿勢が印象的でした。

「全国高校生花いけバトル」では、その地方ならではの花材も見もの。今回は、新潟県産のユリがたびたび登場しました。やさしい色合わせでいけられたユリ、ダイナミックに存在感を示したユリ、それぞれの生かし方に個性が光ります。また、普段はあまり登場しないカンナという赤色の大きな葉も存在感を発揮していました。初めて触れる花材がたくさん並ぶなかで、どんな作品に仕上げるのか?高校生バトラーのひらめきとセンス、直感と即興力が試されます。

今回の大会で印象的だったのは、チームメイトとのコンビネーションの良さでした。予選ラウンドは5分間で2人が交代して行うチーム戦です。どのタイミングで交代するか、先鋒の作品を生かしながら、どのように完成させるか、そこには日頃のコミュニケーションはもちろん、相手の意図を汲み取る力、相手のことを信じる力、やり抜く力、さまざまな要素が含まれます。

先鋒がいけたダイナミックな枝物を生かしながら、花が入るべき場所を丁寧に見極めて、作品に色を添えていく。その所作の1つ1つが真剣勝負。どこにあったらいちばん美しいか、輝けるか、じっくり見極めながら、ときに勘も働かせながら、瞬時に判断していきます。

自分が好きな色、スタイルを追求して、伸びやかに花いけを楽しんでいた上信越大会のバトラーたち。そんないきいきとした光景からは「花をいけるって楽しい!」という気持ちが伝わってきます。また、終わった後のコメントも前向きで、気持ちのいいものでした。「目標を達成できた」「思ったよりも良くできた」「時間に間に合ってよかった」など、自分の良かった点を見つめ、反省点は消化して次に生かしていく、そんな清々しい姿が見られたのも上信越大会ならではでした。

初開催とは思えない堂々とした立ち居振る舞い、自分らしい自由な花いけ、前向きな気持ち。見ている側にとっても、気持ちのいい時間が流れた予選ラウンド。接戦の末に以下の4チームが決勝ラウンドに進出しました。

 

1位 金沢市立工業高等学校「パセリ」(241pt)

2位 新潟県立新潟高等学校「こめこめず」(235pt)

3位 金沢市立工業高等学校「First」(230pt)

4位 第一学院高等学校 新潟キャンパス「第一チルドレン」(226pt)