ちのわ制作編✴︎常陸大宮に行ってきた話し
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2021.8.14
「ちのわ」をつくることに決めてから、どうして日本の人々は季節が巡るたびに「ちのわ」をつくっていたのかを振り返り、あれこれと想いを巡らせました。
古くから無病息災を願うためにこしらえてきた「ちのわ」(茅の輪)ですから、やはり思いを込めて作りあげたい。
そう思った私たちは、日頃から高校生花いけバトルでお世話になり、茨城県で地区大会を開催する道筋を切り拓いてくださったJA常陸奥久慈枝物部会の石川会長にご相談いたしました。
ちのわの材料となるススキを自らの手で刈り、自分たちの手で本物の「ちのわ」を作りたい。
この思いに賛同してくださった石川会長が、ありがたいことに早速「ちのわ」制作の段取りを整えてくださいました。
どこまで深く澄み渡る青空、ぐんぐん上昇する気温、じりじり照りつける真夏の陽射し、すべてが心地よく感じられた夏の日に、私たちは常陸大宮(茨城県)で素敵な汗をかくことができました。
朝から常陸大宮に集合してくれたのは「花あそ部」に参加してくれた正則学園(東京都)の男子高校生。そして嬉しいことに現地では、地元小瀬高校の花いけバトラーが私たちの到着を待っていてくれました!
釜の持ち方、使い方を教わり、おぼつかない手つきでススキを刈りとります。
大汗をかきながらススキを刈るその傍らで、エンジンが甲高い排気音を奏で始めました…
文明の力は偉大です。
めちゃくちゃアッという間にススキを刈りとることができました!
土のにおい、草の香り、釜を引いたときに感じた手に伝わる感触。
いずれもが何気のないことですが、都会で暮らす彼らにとっては、その一つ一つがとても新鮮な体験です。
トラックの荷台に収穫したススキを積み込んだ正則学園と小瀬高校の面々。
さて、今回制作した「ちのわ」の大きさは直径が約2メートル弱。
展示する渋谷PARCOの1階正面エントランスは、上から吊ったり、横から引っ張ったりすることができないロケーションです。
そのため「ちのわ」は床面から自立しなければなりません。
ススキで丸い輪っかをつくるだけのことだけれども、課題はいろいろありました。
どう作れば良いのか、どうすれば上手く作れるのかをみんなで考えながら、とにかく手を動かし、実践してみることの繰り返し。
「ちのわ」には、力強いメッセージを込めたい…。
そして、そう思うと「ちのわ」は細いよりも太い方がいい…。
せっかくだから、圧倒的な存在感を放つ「ちのわ」に仕上げよう…。
こうして、常陸大宮でつくった「ちのわ」が完成。
なかなかカッコイイぞ!
渋谷に出現する現代の「ちのわ」に相応しい堂々とした風貌です。
たっぷりと思いを込めてつくった「ちのわ」はズシリと重かったです。
そして、これを車に積み込み、目指したのは渋谷PARCO…。
ご協力いただいたJA常陸奥久慈枝物部会の皆さま、ありがとうございました!
渋谷に向かった「ちのわ」の話しは次回「 しぶや の ちのわ 」に続きます〜
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【 展示について 】
常陸大宮でつくった「ちのわ」は、渋谷PARCOの1階エントランスに展示いたしました。
◉ 展示期間:2021年8月5日(木)~8月7日(土)
◉ 展示場所:渋谷PARCO 1階 エントランス
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