花いけだより

花いけBOOTCAMP 2025夏✴︎5

「花いけBOOTCAMP 2025夏」

〜はな・いろあわせ〜

 

講師:宮永 英之(フラワーデザイナー)

 

花は一輪でも十分美しい存在である。

「はな・いろあわせ」の時間では、この事を大前提とした上で講義を進めていきました。

 

高校生花いけバトルを見ていると、バトラーが好きなお花や目についた植物を手に取り、いけているように感じます。そうやって、ただ好きなお花だけを集めて完成した作品は、はたして美しいと言えるのでしょうか。

それぞれが主張し合う花々、色がぶつかり合いまとまりのない作品になってしまいます。では花いけバトルで審査員や観客を魅了する作品とは何か、それは自分が魅せたい花が相手に伝わる作品であり、色の調和が取れている美しい作品ではないでしょうか。

しっかりと自分が主役として魅せたい植物があれば、それに合う「はなあわせ」「いろあわせ」をする必要があり、そのためには「植物を知る」ということが重要な一歩であることを受講生の皆さんに伝えました。

 

講義室の中には、「花いけバトル 昴」本番で使用するお花をはじめたくさんの枝物や葉物が揃っており、その中には受講生が花市場で実際に見て「いけたい」と思い自分で選んだ植物もあります。各自、その選んだ植物を発表してもらい、その植物の名前・季節・特性・原産地など理解し、明日どのようにそれを生かし、どんな花や枝を合わせ、どんな色合いで構成していくのかを各自考えてもらいました。

 

この講義では、植物ならではの「はなあわせ」「いろあわせ」を皆さんと一緒に考えることで、より「花をいける」ことが好きになる時間になってほしいと考えました。

花いけバトル本番では大いに自分らしさを発揮して観客を魅了する花いけを実現してほしい。

バトル中の直感とは、それまで自分自身が学び考えぬいた者だけが得られる「ひらめき」であると思っています。