花いけ BOOT CAMP 2025金沢 1
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2025.11.16
「みせる花いけ」
花は、誰のためにいけるのでしょうか?その答えはとてもシンプルで、しかし本質的です。
花は「誰かのために」いけるものなのです。
花いけバトルは、観客の前で花をいける「花舞台」です。誰かに見てもらうために花をいけるという行為には、いくつかの大切な意味があります。それが、「見せる花いけ」、そして「魅せる花いけ」です。
「見せる花いけ」とは、花をいける事、その技術そのものを指します。 花をよく見て、丁寧に扱い、繰り返し向き合うことで、技術は確実に上達します。花いけバトルで言えば、これは「作品点」に通じる部分です。努力次第で誰もが上手になります。だから、がんばればいいのです。
しかし、高校生花いけバトルがそれと同じか、あるいはそれ以上に大切にしているのが「魅せる花いけ」です。これは、「表現点」と深くつながっています。花をいけることに真剣に向き合い、情熱をこめて立ち向かうことで、花の中に「その人」があらわれてくるのです。その瞬間、花はただの植物ではなくなり、人の心を震わせる「なにか」に変わります。人は、そういう花に、感動するのです。
もちろん、感動を生むことは簡単ではありません。上手にいけただけでは、人の心を動かすことはできません。だからこそ、私たちは「上手い花」を目指すのではなく、「感動する花」を目指しているのです。
「熱心な素人は、怠慢な玄人に勝る。」
これは、私が皆さんに贈る言葉です。
花に対する情熱を持ち、全力で向き合ってください。そうすれば、たとえ経験が浅くても、花はいずれ、あなたの想いを語り始めます。そしてその花は、誰かの心を動かし、見る人の人生に残るかもしれません。
花で感動を生むことは、難しい。だからこそ、挑戦する価値がある。
そのことを、どうか心に留めていてください。
講師:日向 雄一郎(花美術家)


